タイトルフォト

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スーダン南部、難民キャンプの風景と子ヤギの世話をする男の子(photo by Frank Keillor)

2014年9月12日金曜日

この本に寄せられた感想(3)

前回はオハイオの中学一年生からの手紙を紹介しました。今回はアラスカの先住民トリンギットの少年と、学校の授業でこの本を読んでいる大学生からの手紙です。
(この本の著者たちは、アメリカの各地をスーダンのこと、ロストボーイズのことを伝える旅を続けています。本を書くことと同じように、こうして人々の前で体験を話すことが重要だと思っているのです。本を読んだ人、学校で副読本として手にした人、会って話を聞きたいと思っている人たちから著者の元にたくさんのメールや手紙が届いています。その一部を紹介します)

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こんにちは、ジュディ

ぼくは今、大学の政治学のクラスで必読書になっているこの本を読んでいるところです。こんな風に、本が自分の心を動かすとは、考えたことがありませんでした。まだ読んでいる途中なのですが。

本といっしょに、ぼくはオーディオブックも買いました。通学のときに聞こうと思ったからです。ときに聞くのをやめようか、と思うことがあります。それは学校に着いても、車を降りたくなくなることがあるからです。車を止めたまま、聞き入ってしまうこともしばしばです。

読んでいないときも、この本のことが頭から離れません。夜眠りにつくまで、忘れることがありません。

ベンジャミンとデン兄弟に、彼らの苦難の体験を話してくれて、世界の多くの人が気づいていない真実を明らかにしてくれて、ありがとうと伝えてください。三人が豊かな暮らしを営めるよう願っています。

ティム・L


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ジュディへ(アラスカ州ジュノーに、ベンジャミンとベンソンを迎えて)

ベンジャミンとベンソンをお迎えする役をいいつかって、とても光栄に思いました。話を聞いてすぐに、本を読みはじめました。とても胸を打たれました。本に書かれていることが、本当に起こったとは、今も信じられません。彼らの物語を読み、その後彼らをこちらに招いて、この手で抱きしめることができたのは、なんと素晴らしいことだったでしょう。これこそが人生の意味ですね。彼らを招く手伝いをしていただき、ありがとうございました。あの朝のことを思い浮かべるだけで、涙が出てきます。彼らの話を聞いて、強さというものをこの手にしました。一生僕の心に留めたいです。

来ていただいたときに僕らがうたった歌は、哀悼歌です。だからあの歌をうたうことで、僕らはロストボーイズのことを悲しみ、悼みました。映画監督のジョー・ライトがトリンギットで虐殺が起きたのを知って、作られた曲です。トリンギットの人間として、彼らの物語は自分のことのように感じました。ベンソンとベンジャミンに、いつも彼らのことを想っている、感謝していると伝えてください。ありがとう。あなたたちのことをずっと思いつづけます。

リッキー・T