タイトルフォト

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スーダン南部、難民キャンプの風景と子ヤギの世話をする男の子(photo by Frank Keillor)

2014年8月25日月曜日

この本に寄せられた感想(2)

前回はカリフォルニアの高校生から届いた手紙を紹介しました。今回はオハイオの中学一年生からの手紙です。
(この本の著者たちは、アメリカの各地をスーダンのこと、ロストボーイズのことを伝える旅を続けています。本を書くことと同じように、こうして人々の前で体験を話すことが重要だと思っているのです。本を読んだ人、学校で副読本として手にした人、会って話を聞きたいと思っている人たちから著者の元にたくさんのメールや手紙が届いています。その一部を紹介します)

ジュディへ

ぼくはオハイオに住む七年生です。ずっとオハイオで育ち、居心地のいい家に住み、たくさんの食べものに囲まれ、両親も元気で、妹や姉さんがいて、弟もいます。住んでいる場所もいい環境です。ロストボーイズがまだ村にいた頃と、今のぼくは変わらないのではと思います。ぼくの国も過激派の人に襲撃されました。ベンジャミンがアメリカに着いたその日、彼らの襲撃は大きな成功をあげました。ぼくはロストボーイズたちが、支援をもとめてぼくの国にやってきたことを誇りに思います。襲撃のとき、ぼくらがスーダンに行って、助けることができなかったことを恥ずかしく、残念に思っています。世界のどこかでこういう事件は起こっていて、でもそれに手を貸そうとする人はあまりに少ないのでは、と想像します。ぼくらが資源をもっているのは知っているし、それをもっと分けた方がいいのにと感じます。

実際に起きたことについての本をあまり読んだことがありませんでした。歴史をあまり勉強してないし、今起きていることにも、あまり関心をもってこなかった。この本を読んだあと、ぼくは自分の知識を増やし、そういうことに注意をもっと向けようと意欲を燃やしています。

あなたが最初、ロストボーイズたちの相談役になることにためらいがあった、と正直に言っているのに感動しました。もしぼくの学校にロストボーイズが来たとして、一番に近づいていって話しかける勇気がぼくにはない、と思います。なんてバカで自己中心的なんでしょう。三人のロストボーイズが語る物語に対して、あなたが書いた最初の紹介文は、はじめの言葉として、これ以上ないものだと思います。ぼくは読み進むうちに、少しずつ、彼ら三人が何をどう体験したのか、感じ、耳を澄まし、考えと学んでいきました。彼らの話を集めてぼくに読ませてくれたあなたに、感謝します。

だれも聞いたことがないような彼らの勇気に、おおいに刺激を受けました。この世界で解決されていない他の問題についても、ぼくはもっと知りたいと思います。そしていつか、飢えて、からだが弱った子どもたちにとって、この世界がもっといい場所になるように、手を貸す勇気をもてたならと強く思います。「二頭のゾウが戦うとき、踏みつけにされるのは草だ」 こういうことわざにも、もっと関心をもち、その言葉の裏に、どんな体験が隠されているのか、気づくようにしようと思います。過激派の人たちだけが非難を受ければいいわけじゃない、そう思います。

パット

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